陸軍キ‐44 二式単戦 鐘馗 U型乙特別装備機
「成層圏戦闘機」
 
ハセガワ 1/72

 二式単戦鐘馗は陸軍が「重戦闘機」というそれまでに無かったカテゴリーで採用した機体で、軽快な旋回性能を重んじたそれまでの戦法とはちがう「一撃離脱」を目的に開発されたものです。 しかし当時の軍部ではこのような戦術に対し懐疑的な風潮が強く、依然として小回りの利く戦術に固執する傾向があり、当初はこの機の特性を生かした運用の場面はあまりありませんでした。
 その後日本本土が空襲を受ける段階になり本来の性能が生かされる場面が訪れ奮闘しました。

 この機体はちょうどそんな戦争末期の熾烈な時期を描いた松本零士戦場まんがシリーズ「成層圏戦闘機」に登場するもので、物語の内容はB−29迎撃の際に散った陸軍パイロットの兄を持つ同じパイロットである弟の悲しい復讐劇です。  部隊司令部のコードネームは「五稜郭のもぐら」、飛行編隊のコードネームは「新撰組」、機体の尾翼には「誠」の字が書かれたもので、思春期の私の脳裏に深く焼きついたマンガでした。





 作例は素組みです。 塗装は上面クレオス13番、下面はグンゼ産業時代に発売したメタリック特色の「クラシックシルバー」を使用しました。 スミ入れはタミヤエナメルです。 張り線は渓流つり用の細いテグスを使用しました。



「誠」の字と小さい注意書き等はデカールですが、ほかは塗装で仕上げています。 日の丸は当時の海軍の「雷電」のようにすこし目立ち気味にしてみました。

2010/06/07


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